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子宮頸がん予防対策強化事業創設に伴う緊急声明

【細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会】では下記の緊急声明を2010年9月9日に発表いたしました。

子宮頸がん予防対策強化事業創設に伴う緊急声明
厚生労働省は、「子宮頸がん予防対策強化事業」として150億円を平成23年度予算概算要求に盛り込んだ。同事業は各地方自治体に対しHPVワクチンの費用の1/3程度を助成すること等により、HPVワクチン接種にかかる情報収集・分析をすすめることを目的としている。厚生労働省は8月27日に開かれた厚生労働省の第12回厚生科学審議会感染分科会予防接種部会で、ヒブ(インフルエンザ菌b型)や肺炎球菌のワクチンについてはかなり定期接種化のコンセンサスが得られている一方、HPVワクチンについてはまだ議論があるとし、だからこそ、情報収集して判断、評価する必要があるという旨の理由を説明した。このことから「子宮頸がん予防対策強化事業」の大きな目的の一つが、HPVワクチンの定期接種化に向けた情報収集・分析であることがわかる。
定期接種化に向けて任意接種費用を国が助成するのは、初めての試みである。我が国は「ワクチン後進国」と揶揄されるほどワクチンの定期接種化が進んでおらず、世界保健機関(WHO)が推奨するワクチンの約三分の一は任意接種のままかワクチン導入すら達せられていない状況にある。これらWHOが推奨するワクチンについても、HPVワクチン同様に予防対策強化事業が実施されることで、定期接種化に向けて迅速な検討を行うことができ、早期の定期接種化とワクチン・ギャップの解消が期待される。
HPVと同様に定期接種化の世論が大きく、多くの地方自治体が費用助成を行っているヒブと肺炎球菌については、先の予防接種部会で定期接種化のコンセンサスが得られているとの説明がなされた。したがってヒブと肺炎球菌についてはHPVのように任意接種費用に対して助成し情報収集を進める必要は無く、早期に定期接種化が実現されることが期待される。予防接種部会に設けられた小委員会の評価を受け、来年度からの定期接種化が望まれよう。既にコンセンサスが得られている以上、子どもたちを細菌性髄膜炎からワクチン接種により守るために、一日も早い決断が必要であり、いたずらに時間を費やして子どもたちを防げるはずの疾病に罹患させる不作為の被害を生じ続けてはいけない。
以上のように、ワクチンギャップ解消に向けて大きな一歩となることが期待される「子宮頸がん予防対策強化事業」であるが、概算要求に至る過程が明らかにされていない。150億円を投入してどのような結果を得られると見込んでいるのか、決定に至るまでにどのような意見がだされたのか、議論には誰が参加したのか、一切明らかにされていない。何より、公費を投入するものであり、従来の予防接種行政のあり方とは大きく異なる新たな手法である。いつ、どこで、誰が、どのような議論を交わし同事業の実施を決定したのか、政府は国民に説明しなければならないだろう。
私たちはここに、次の3つの項目の実現を強く求めるものである。

一 ヒブ、肺炎球菌の定期接種化を速やかに決定すること
一 WHOが推奨するワクチン・疾病について、HPVと同様の事業を速やかに実施すること
一 「子宮頸がん予防対策強化事業」の決定過程を明らかにすること


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